先日、編集部にお客様がいらっしゃいました。

なかなか意外なお客様、それは……。

某県某市某中学校の修学旅行でとある班が

ゲームラボ編集部で職場訪問学習をしたいとのことでした。

冒頭で“意外な”と書きましたが、実は数年に一度のペースで

なぜかゲームラボご指名で同様の依頼を受けることがあります。

かつてはその模様を、本誌連載「ピョコタンのマンガレポート」で

取り上げたりもしたくらいです(2008年10月号)。

当時ピョコタンも感じていたのですが

というのが率直な印象……。

「講談社さんでも小学館さんでも集英社さんでも

ほかにいくらでも行くべき出版社があるんじゃないかな?」

などと思わざるを得ないのですが

せっかくのご指名ですから無碍に断るのもなんですので

快くお迎えすることにしました。

 

それからしばらくすると、いらっしゃる生徒さんの名簿とともに

「修学旅行自主研修 職場訪問先への質問」なるペーパーが届いたのです。

そこには10の質問が認められていました。

1,なぜこの仕事に就こうと考えたのでしょうか。

2.この仕事をする中でのやりがいはどんなことがありますか。

3.この職業に就くために必要な進路・資格は何がありますか。また、あると良い資格は何でしょうか。

4.中学校生活の中で身につけておくと良いことはどんなことでしょうか。

5.記事の企画を考えるときに大切にしていることは何でしょうか。

6.雑誌1冊の中の記事の構成はどのように決めるのでしょうか。

7.1つの記事を作成するときに、どのくらいの分担作業になるのでしょうか。1つの記事が出来上がるまでのことを教えて下さい。

8.読者からたくさんの意見がよせられると思いますが、その意見にはどのように対応しているのですか。

9.推敲にはどれくらい時間をかけるのでしょうか。

10.1冊の雑誌が完成したときには、どんな気持ちになるのでしょうか。

 

「真面目かっ」と思いつつも修学旅行なので真面目で当たり前。

こちらも真面目に答えることに。

例えば5.には

 

「読者の期待に応えること」「読者の期待を裏切ること」の両立を目指している。

読者の皆さんが「ゲームラボだったらこれをやってくれるだろう」と

思ってくださっているであろうことには最大限力を尽くす。

(例えば新ハードの分解など)

ただ、期待の応えるだけに注力してしまうと

雑誌が読者様の想像の範囲内にすべて収まってしまう。

そこで同時に、「こんなこと知らなかった!」「ゲームラボはこんな記事も載るんだ!」と

読んだ方に驚いてもらいたいという意図の企画にも同じくらい力を入れなければならない。

全体のバランスを考えつつ、両方の要素を盛り込もうと努力している。

 

面映いなぁと自分でも思いつつ、こんな感じで真摯に答えさせてもらいました。

ただ、1.に真摯に答えると

 

大学時代、周囲が就職活動に奔走する中

自分は「貴族の自分がなぜ働かねばならぬ。日本が総出で僕を扶養して当然である」

との信念のもと、在学中はいっさい就活をしなかったのだが

卒業と同時に実家からの仕送りがストップしたので(当たり前)

やむにやまれず働くことを決意。

「不本意だが、子供の頃から本好きだったので

編集だったらやってやっても構わんぞ」と思い

出版社の求人に応募しはじめた。

 

という話をしなくてはならず、

さすがにわざわざ来てくれた中学生にするには

アレすぎるので、かなりオブラートに包みましたが。

 

それはさておき、「仕事のやりがい」についてなど

普段あまり考えこむことのない質問をしていただいたことは

個人的に今の自分を見つめなおす良い契機になりました。

やっぱり編集者ってとても楽しいんですよね!

 

いらしてくれた中学生の皆さまにとっても

こちらの答えが何かの役に立てていればいいんですが……。

 

あ、そうそう。せっかく来ていただいたお客様を

手ぶらで返すのもアレかな~とおもったのですが

「同人わーるど」やら「美少女ゲーム淫PRESSION」やらが載っているゲームラボを

中学生のおみやげにするのは宜しくないだろうという判断で、

ただいま三才ブックスの売れ筋商品であるところの

『加工食品の危険度調べました』を「親御さんに渡してくださいね」と

プレゼントさせていただきました。

 

ちなみに世間話をしているときに

「ほかの班はどんなところに行っているんですか?」と聞いたところ

動物園、病院といったなかに、ちゃんと講談社も入っていました。。。

うーん、だったらやっぱり小学館とか集英社にしておいたほうが

よかったんじゃないかな???