タイ王国 電脳街紀行 その１ 海賊版の街サパーンレックの今
2 11月
タイの首都バンコクには『サパーンレック』という東南アジア屈指の海賊版の無法地帯がありました。日本でいう秋葉原のような街で、ゲームやアニメの一大発信基地となっていましたが、正規品もあれば海賊版も横行するというディープなスポットだったのです。しかも、サパーンレックは川の上に掘っ立て小屋が立ち並ぶという、見た目からしてスラム街の様な危険地帯！でも危険なのは見た目だけで実際はオタクスポットなんで安全でした（笑）。
そんなアジア屈指の暗黒魔京とも言えるサパーンレックですが、なんと昨年の冬に撤去されてしまったのです！
しかし、完全に消滅したわけではなく、サパーンレックの近くの『MEGA PLAZA』というビルに移転したようなのです。と言うわけで、新生サパーンレックことMEGA PLAZAに行ってきました！
ちなみに筆者が行ったのは国王が亡くなる少し前です。今行くと状況が変わっているかもしれません。
さて、サパーンレックに行きたいと言っても当たり前ですがガイドブックに載っていません。どこにあるのかというとバンコクの中華街のヤワラートを抜けた先にあります。ヤワラートはHua Lamphong駅から歩いて5分くらいのところです。
更にヤワラートから20～30分ほど歩いたところにサパーンレックはあります。タクシーを使えば10分くらいでしょうが、日本人は99%ぼったくられるのでオススメはしません。根性で歩くのがベターです。ヤワラートは異国情緒溢れる街なので観光がてら歩けば苦じゃありません。
川を超えた先の交差点に新生サパーンレックの『MEGA PLAZA』があります。サパーンレックは暗黒魔京という表現がピッタリでしたが、こちらは大型ショッピングセンターと言った感じです。訪れたのが土曜日のお昼だったこともあり、家族連れも多かったです。
MEGA PLAZAに入って最初の感想は「なんじゃこりゃ！？」
なんと小さなゲームショップやフィギュアショップなどが所狭しと並んでいるのです。中野ブロードウェイをもっと規模を大きくした感じです。
まずはMEGA PLAZAのショップをいくつか紹介します。
ゲームショップ
アジア版だけでなく日本版や北米版など世界中のゲームを取り扱っていました。最新ゲームもあればレトロゲームもありとカオス。基本的には正規品が多いですが、本体を買うとサービスで海賊版を付けてるところも…。一見、普通のゲームショップでも奥から海賊版のリストが出てくるなんてショップもありました。ちなみにどの店もファミコン互換機を取り扱っていました。
フィギュアショップ
まるでアキバのフィギュアショップの様です。扱っているのは日本のフィギュアが多かったですが、マーベルなど欧米のも結構ありました。ハッキリ言って日本のショップよりも品ぞろえはいいと思います。
模型店
主にガンプラやミニ四駆を扱っていました。というか、ミニ四駆専門店までもありました。もしかしてタイでもミニ四駆はブームなんですかね？ ちなみにガンプラはアジアのどのオタ街に行っても必ず専門店があるほどです。品ぞろえは日本とさほど変わらないという印象です。
カードショップ
なんとカードショップも健在。筆者はカードゲームに詳しくはないのですが、遊戯王などを扱っていました。殆どが日本製のカードゲームだと思います。デュエルスペースは盛り上がっており、なんと店の外の休憩所でもカードゲームで遊んでいる人がいました。意外とカードゲームは人気なのかもしれません。
ミリタリーショップ
電動ガンやモデルガンなど品ぞろえは豊富。銃だけでなく装備もそろっています。銃は見たところ日本じゃ禁止されているフルメタルもありました。これは銃が好きな人にはたまらないでしょう。とは言えフルメタルは日本に持ち込めないので買わないように。
ゲーム機の修理屋
意外に多かったのがゲーム機の修理屋。いくつも見かけることが出来ました。主に修理しているのはPSPが多かったかと。まぁカスタムファームまで作られてゲームも海賊版が横行しているので普及率は高いのかと…。
海賊版！
隠す気がないのか堂々と海賊版を売っています。扱っているのはPCゲームやPS3、Xbox360などです。お値段は100円程度と激安。実際に動くかどうかは分かりませんが、現地の人が次々と買っていくのを見るとちゃんと動くようです。間違っても買わないように！
ファミコンショップ？
こちらはファミコンのNin1専門店。まだファミコン専門店あるんだーと覗いたところ扱っているのはNin1と正直驚きました。まだまだファミコン需要があるということなんでしょうかね。
ソニー正規店
海賊版が溢れるMEGA PLAZAの中になんとソニーの正規店を発見！PS4やVITAを扱っていました。しかし、客はおらず店員は暇そうにしていました（笑）
とまぁこんな感じのショップが何十店舗もあるわけです。この他にも服屋やカメラ屋、ウェディングドレス専門店などなど、秋葉原とアメ横と中野ブロードウェイが合体したというのがしっくりきます（笑）。
何というか、実際に行けば分かりますが、想像以上にスゲェ場所です。日本のみならず世界中のオタ関連がここに集まっていると言っても過言じゃありません！聖地は日本ではなくタイにあったんだと思いました（笑）。
ちなみにMEGA PLAZAに限りませんが、大抵のショップには値段は提示されておらず、直接交渉となります。言葉が分からなくても指を刺して「How much」で大丈夫です。値段交渉は電卓バトルです。高めに提示してくるので、電卓を叩いて交渉しましょう。ボラれるのが心配であれば、現地の人が買った値段を盗み見しましょう。後はその値段よりも安い額を提示して最終的にその額にすればボラれることはないでしょう。
さて、今回はMEGA PLAZAを紹介しましたが、タイには他にも秋葉原的なスポットがいくつかあります。イロイロと周ったのでこれからも紹介していきます。
しかし、一番のオタ街は今回のMEGA PLAZAなので、タイに行くことがあれば是非とも訪れてみてください。秋葉原が好きな人は間違いなく気に入ると思います。
写真・文：pusai